岐阜プラスチック 世界初 ハニカム構造体の連続成型技術
FujiSankei Business i. 2008/9/2
断面がハチの巣状のハニカム構造体。「テクセル」の名称で商品化される=岐阜市の岐阜プラスチック工業本社
物流資材製造に導入
岐阜プラスチック工業は、ベルギーの企業が開発したハニカム(ハチの巣)構造体の連続成型技術を、世界で初めて物流資材製造分野などに導入した。ハニカム構造体は製法が複雑で、活用が航空宇宙など先端技術分野に限定されていた。同社が確立した量産化技術により幅広い分野への応用が可能になる。今後は同社が新製品の開発・製造販売を国内で独占的に進めるという。
年内をめどに10億円をかけて岐阜県各務原市の本社工場に量産型プラント1号機を設置。来年4月に、新素材「テクセル」の商品名で、物流パレットなどを発売する計画だ。発売開始から10年で200億円の売り上げを目指す。
この技術は、ベルギーのルーベン・カトリック大学発ベンチャー「エコンコア」が独自に開発した。伊藤忠商事が物流・梱包資材分野やアジア太平洋・中東地域におけるライセンス権を持っており、2004年に同社にこの技術を紹介していた。
この技術は、厚さ0.2〜0.3ミリの樹脂シートの上に、六角形の半分の形をした台座が並ぶ形状をつくる。その後、台形の底辺を重ね合わせて六角形になるように樹脂シートを折り込み、熱で溶着させる。成型・折り込み・溶着作業を連続して行うことで生産性向上が可能になるという。
同社は、この技術を土台に、1分間に幅1.4メートル、長さ10メートルの樹脂シートを仕上げる量産化技術を確立した。「同じ材質で、同じ重さの場合、従来製法よりも強度が3〜5倍高められる」という。
ハニカム構造体は、ハチの巣のような正六角形のセル(小部屋)が集まった多孔体。軽量で高強度が長所だが、形状が複雑であるため大量生産が困難で、これまでは主に航空宇宙などの先端技術分野でしか使われていなかった。
岐阜プラスチック工業
コンテナやパレットなどの産業資材をはじめ、家電部品や自動車樹脂部品などの開発・製造を手がけるプラスチックの総合メーカー。1953年4月設立。本社は岐阜市。国内9ヶ所に工場を持つ。2008年3月期の連結売上高は736億円。グループ会社には、食品用容器の「リスパック」、塩ビ管継ぎ手や屋上緑化システムを手がける「リス興業」などがある。
岐阜プラスチック工業の創業者、故大松幸栄氏が収集した近代日本画や茶道具などを集めた「大松美術館」が同県岐南町にある。


